俺は強烈な痛みに耐えつつ、美紀と渡の待つ部屋へと歩を進めた。

「おーす!翔、百合菜、桜花!」

昔と比べて少し知的な印象を受ける渡。

「久しぶりです渡先輩。何か印象変わりましたね……?」

「良く言われるよ」

渡は苦笑する。

「今はIT関係の仕事だったっけか?人間変わるもんだな」

「うるせぇよ」

そう言って笑う渡は、昔のままだった。

「百合菜久しぶりですっ!!」

「美紀お久っ!」

美紀と百合菜は抱き合う。渡とは反対に、美紀からは昔よりも垢抜けた印象を受ける。

「美紀染めた?」

美紀の髪は、昔から比べるとほんのり染まっていたので俺は何気なく聞いてみた。

「美紀は俺色に染まってるからなっ」

渡の冗談に美紀は顔を真っ赤にする。

「な…何言ってるんですか…!!」

「…あーあ私も彼氏欲しいなぁ…」

あのな桜花……。そんなこと言って俺を見るのは止めてくれ。

また何か百合菜に叩き込まれるからな。