「何か翔とこうして一緒に遊ぶのも久しぶりだね?」

「確かにな。去年の夏祭り以来か?」

しかし、一緒に歩いていて俺は少しドキドキしていた。しばらく見ない内に、紫音は本当に女らしくなった。それに今の制服も紫音に良く似合っている。

「翔、どうしたの?さっきから妙に無口じゃん」

「べ、別に……」

まさか紫音に見とれていたなんて口が裂けても言えない。

「はは〜ん……。さては私に惚れてたな?」

「そ、そんなわけないだろ!じゃじゃ馬が!」

「……翔?もう一回言ってみな?」

しまった。図星だったのを隠すのに必死だった俺はすっかり忘れてた。
紫音は怒ったら手が付けられないということを……。

案の定、俺は紫音にこってり絞られた。

「いやーこんなに可愛い紫音と一緒に買い物に行けて幸せだなー。俺は」

「分かればよろしい」

デパートに着くまでの間、俺は紫音の顔色をうかがいながら話していた。