翌朝、皆は帰り支度に没頭していた。
しかし、俺と百合菜ちゃん、雅也は最後のシーンの撮影に取り掛かろうとした。
今日撮るのは、百合菜ちゃん演じるヒロインの告白の返事シーンだ。
だが今日の撮影に一つだけ不安要素があった。
それは前もって渡された台本にある、『ヒロインが主人公に“好きだ”と伝えてからキスする』という描写のこと……。
このことを雅也に言うとに雅也は、笑いながら俺に説明して来た。
「あぁ。してるように撮るから大丈夫だよ。まぁお前にとっては残念なことだろうがな」
そんな一抹の不安を抱えながら撮影はスタートした。
だが練習で試しに顔を近づけるだけでキスしているように見えるか実験してみたところ、上手くいっていた。
「好きだよ…」
百合菜ちゃんが顔を近づけてくる。
実際にキスをする訳ではないが、こんな間近で可愛い顔が迫って来たら
正直ヤバイ。
俺は目を固く閉じた。
……?
唇に柔らかい感触が広がる。
それは練習ではありえなかった事態であった。
感触が離れるとすぐに
俺は目を開けた。
すると百合菜ちゃんは声を発せずに唇を動かした。
“ずっと…待ってる”
俺はそう読み取り、自分の唇をなぞる。
ほんの少し前まで、そこには百合菜ちゃんの唇があったのだ。
「撮影終わり!!」
雅也とおじいちゃんが嬉しそうに言う。
雅也もおじいちゃんも
気付いてない。
俺と百合菜ちゃんが
キスをしたことに……。
しかし、俺と百合菜ちゃん、雅也は最後のシーンの撮影に取り掛かろうとした。
今日撮るのは、百合菜ちゃん演じるヒロインの告白の返事シーンだ。
だが今日の撮影に一つだけ不安要素があった。
それは前もって渡された台本にある、『ヒロインが主人公に“好きだ”と伝えてからキスする』という描写のこと……。
このことを雅也に言うとに雅也は、笑いながら俺に説明して来た。
「あぁ。してるように撮るから大丈夫だよ。まぁお前にとっては残念なことだろうがな」
そんな一抹の不安を抱えながら撮影はスタートした。
だが練習で試しに顔を近づけるだけでキスしているように見えるか実験してみたところ、上手くいっていた。
「好きだよ…」
百合菜ちゃんが顔を近づけてくる。
実際にキスをする訳ではないが、こんな間近で可愛い顔が迫って来たら
正直ヤバイ。
俺は目を固く閉じた。
……?
唇に柔らかい感触が広がる。
それは練習ではありえなかった事態であった。
感触が離れるとすぐに
俺は目を開けた。
すると百合菜ちゃんは声を発せずに唇を動かした。
“ずっと…待ってる”
俺はそう読み取り、自分の唇をなぞる。
ほんの少し前まで、そこには百合菜ちゃんの唇があったのだ。
「撮影終わり!!」
雅也とおじいちゃんが嬉しそうに言う。
雅也もおじいちゃんも
気付いてない。
俺と百合菜ちゃんが
キスをしたことに……。