「出来たよー?」

早苗さんの声を合図に俺は下へと駆け降りた。居間の扉を開けるとおいしそうな香りが漂った。

「パスタとシチューだけど良かったかなぁ?」

「大好物です!」

「いただきます」

そう言って俺と早苗さんは食事に手を付けた。

ていうか早苗さん……。

「料理美味すぎ!」

「えへへ良かったぁ」

照れてるのか、しきりに髪を触る仕種をとる早苗さん……。

「早苗さん。可愛いし、料理も美味しいからもてるでしょ?」

するとピタリと早苗さんの手が止まった。何かいけないこと聞いちゃったかな……?

「男の人って皆そうだよね」

早苗さんは目を伏せて話し出す。

「え…?」

「外見だけで人を判断して…安直に体を求める。
なんで男の人は皆“偽りの幸せ”を望んでいるの?体だけで繋がれば満足なの?」

早苗さんの大きくてぱっちりとした目から一筋の涙が零れて来た。