雅也が指定した召集日まで後4日。

私は百合菜と一緒に近くの図書館で宿題を進めていた。

百合菜は私より全然頭がいいので、分からないところは全部教えてくれた。

「……ごめんね百合菜。付き合わせちゃってさ」

「全然平気だよ?私も静香と勉強した方が楽しいもん」

そういってニッコリ笑う百合菜。

体育祭の時と比べて、表情が柔らかくなった。それはとても嬉しい。

「ねぇ静香?映画楽しみだねっ」

「……そうだねっ!」

百合菜はそう言うものの私は正直不安だった。

令志と付き合っている百合菜。

あんたは、翔のことどうする気なの?

私はペンを動かすのを止め、楽しそうに問題を解く百合菜を見つめた。

「静香?ほら、やらなくちゃ」

「はいはい……」