聞き間違いじゃないよね?私は走り去った彼を呆然と見つめる。
『可愛い』
好きな人に そう言われただけで私はこんなに心がドキドキしている。
自然に…笑みが零れてくる。
久しぶりに笑った気がする。
作り笑いじゃなくて、心から笑ったような……そんな感じ。
「……今の百合菜先輩凄く色っぽいですよ?」
「い……色っぽい?」
初対面の子に、こんなこと言われたのは初めてだよ。
「あっ。私、水城 桜花っていいます。あなたのことは、いつも翔先輩から聞いてました」
戸惑った私に気付いたのか自分から名乗ってくれた桜花ちゃん。
「よろしくね。桜花ちゃん」
「だけど……百合菜先輩って…翔先輩が言ってたまんまの人ですね」
桜花ちゃんは品定めをするような目で私をまじまじと見つめる。
「翔君……私のこと何て言ってた?」
「教えてあげませんよ。自分で聞いてみたらいかがですか?」
意地悪く桜花ちゃんは笑った。
「気になっちゃうよ…」
「令志先輩と付き合っている百合菜先輩にその答えを聞く資格はありませんよ」
「え…?」
「それに…翔先輩を好きなのは、あなただけじゃないってこと…覚えてて下さいね」
そういうと桜花ちゃんは帰っていった。
桜花ちゃんも…翔君のこと好きなんだ。
「負けてらんないなぁ」
私は、いつの間にか姿を現していた月に静かに決意を表した。
『可愛い』
好きな人に そう言われただけで私はこんなに心がドキドキしている。
自然に…笑みが零れてくる。
久しぶりに笑った気がする。
作り笑いじゃなくて、心から笑ったような……そんな感じ。
「……今の百合菜先輩凄く色っぽいですよ?」
「い……色っぽい?」
初対面の子に、こんなこと言われたのは初めてだよ。
「あっ。私、水城 桜花っていいます。あなたのことは、いつも翔先輩から聞いてました」
戸惑った私に気付いたのか自分から名乗ってくれた桜花ちゃん。
「よろしくね。桜花ちゃん」
「だけど……百合菜先輩って…翔先輩が言ってたまんまの人ですね」
桜花ちゃんは品定めをするような目で私をまじまじと見つめる。
「翔君……私のこと何て言ってた?」
「教えてあげませんよ。自分で聞いてみたらいかがですか?」
意地悪く桜花ちゃんは笑った。
「気になっちゃうよ…」
「令志先輩と付き合っている百合菜先輩にその答えを聞く資格はありませんよ」
「え…?」
「それに…翔先輩を好きなのは、あなただけじゃないってこと…覚えてて下さいね」
そういうと桜花ちゃんは帰っていった。
桜花ちゃんも…翔君のこと好きなんだ。
「負けてらんないなぁ」
私は、いつの間にか姿を現していた月に静かに決意を表した。