「よーし!B組打ち上げ行くぞー!!」

「おー!!」

雅也の音頭に皆が乗っかる。とても総合順位が四位中、四位のチームとは思えない。

「翔の奢りだからお金の心配はいらないわね」

そう言う静香は上機嫌だ。俺はこっそり財布の中身を確認した。たぶん全部吹っ飛ぶだろう。

ていうか逆に足りない。クラス40人分を払えるわけがない。

俺は素直に皆に言うことにした。

「俺あんまり金持ってきてないよ……」

そういうとクラス全員の非難の目が俺に集中した。しかしすぐに笑顔に変わった。

「……しょうがないなぁパシリ期間延長で勘弁してやるよ」

クラスの意見はそれでまとまったようだ。俺の意見は全くもって無視されていた。

「まぁ分かったよ。んじゃ皆打ち上げ楽しんでこいよ?」

「え……翔さん来ないんですか?」

美紀を始め、皆が俺を信じられないといった目で見つめてくる。

「病院行かないとね」

そう言って俺はクラス皆の視線を背中に浴びながら帰っていった。

俺だってホントは行きたいさ…。俺は重い足取りで雛菊病院へと向かった。