やはり学年の力の差は歴然だ。

一位は三年D組、二位は三年C組、三位は二年B組、四位は二年C組、五位は一年A組、六位は一年C組だ。

さすがの雅也も三年の速さには食らいつくのがやっとだ。

ここで、ついにトップのD組はアンカーの和也先輩にバトンが渡った。

そのスピードは驚異的だった。もはや俺には敵わない相手だった。

「オォー!!」

観客からどよめきが沸き起こった。

ついに雅也が三年C組を抜き去ったのだ。

そして和也先輩が一年生ニクラスを周回遅れにしたところで、雅也が二位のバトンを俺に渡した。

しかし、俺は申し訳ないことに雅也とは比べものにならないくらい遅い。

30メートル程走ったところで俺は三年C組に抜き去られてしまった。

そして俺が100メートル地点の所で和也先輩が一位でゴールテープを切った。

ちょうど半周差がついてしまったようだ。

俺は自分の足の遅さを嘆きつつ俺は後ろを盗み見た。

二年C組はバトンミスが相次ぎ、アンカー令志は俺の40メートル背後にいた。

『翔らしく走る』

俺はピタリと走るのを止めた。

観客がどよめく。遥か前を走っていた三年も怪訝な顔で俺を見る。

「令志ー!これで決着つけよーぜ!!」

俺が令志に宣戦布告したのに、クラス全員リレーでは不完全燃焼の形で終わってしまった。

これが令志への“償い”だ。

すると令志もピタリと足を止めた。

差はちょうど20メートル。

「決着をつけよう」

俺と令志は違いに戦う意志を通わせた。