俺は、とりあえずゴールに向かって走り出した。

校庭は静まり返っている
俺の砂を蹴る音しか聞こえない。異様な空気がグラウンドに蔓延していた。

俺は妙だとは思いながらもゴールテープを切った

パン!パン!

レースの終了を告げる音が響き渡った。

「ただいまのレースの結果は…一位、C組。二位D組。三位A組。四位B組でした」

そのアナウンスを聞くも
二年生は誰ひとりとして言葉を発さない。

「……ごめん。みんな。俺が勝手にアンカーやりたいって言ってたのにさ。俺が皆の頑張りを全部無駄にしちまった…」

俺はひとまず皆に詫びを入れた。

ぱち…ぱち。俺の言葉を皮切りにして校庭の至る所から拍手が沸き上がった。

「翔てめぇ!!」

B組の連中が俺に向かって来た。皆は俺を担ぎあげて俺は宙を舞った。

俺は現状を把握するのに時間がかかったが

どうやら俺は今 胴上げされているらしい。

「ちょっ…止めろよお前ら!俺のせいでB組は負けたんだ…」

「ばかやろっ!お前のしたことはリレーで勝つことよりも全っ然すげぇなんだよ!」

俺は皆の言葉に耳に疑った。あんなに俺がリレーのアンカーになるのを反対してたのに…。

俺は皆に気付かれないように涙を拭った。

みんな、ありがとな。