『最後の最後は翔らしく走る!!』

 
 
  
  
 
 
紫音のその言葉が脳裏をよぎる。

俺は…目の前のゴールテープを切る事なく桜花の元へと足を向けた。

歓声が次第に遠ざかっていく。グラウンドからはどよめきが聞こえてくる。

だけど、そんなの……桜花よりどうでもいいことだ。

……間に合え。

俺は出来る限りの全力で桜花の元へ急いだ。