俺らの学校の校庭のグラウンドは一周400メートルだ。

つまり半周走れば次の人にバトンを渡す、ということになる。

第一走者、第三者は同じ場所に待機する。

俺は美紀の方をチラッと見る。どこか表情は硬かった。美紀は少し緊張しているのだと俺は悟った。

「それでは第一走者は各ポジションについてください。」

係の人がリレーの始まりを告げた。

「行ってきます」

「ま、気楽にやれよ。アンカー雅也だしな」

そう言うと、わずかに美紀の表情が和らいだような気がした。

美紀がポジションについた。第一走者はどのクラスも女子を置いている。

各クラスの用意完了を確認した係がピストルを鳴らした。

パーン！

渇いた音が校庭に響き渡った。