俺はいまだに痛みが鈍く残る右足を引きずりながら門へと急いだ。

「翔さん来ましたよ!」

美紀が俺を見つけるのを合図に、渡、雅也が俺に怒った。

「何してたんだ!」

「悪い悪い!」

選抜リレー予選。各学年ごとにリレーを行い、その上位ニクラスが午後の決勝に進める。

つまり決勝は一年、二年、三年の六クラスで競うことになる。

走るコースは一人200メートル。また、メンバー四人の内、必ず一人は女子を混ぜなければならない

俺のクラスからは美紀が選ばれた。

美紀は二週間前に一緒に走ったが俺より全然早かった。

というか…頭良くて、運動神経良くて、可愛いって卑怯じゃね?

俺は心の中で美紀をひがんだ。

「順番は美紀、渡、翔、俺の順番でいく。まぁ二位でも決勝に行けるからな」

雅也の作戦に頷いた。

「んで、今回俺はアンカーとなり如月の力をはかってやるよ」

「頼りにしてます」

「美紀も最初に走るんだからな。頑張れよ」

雅也と美紀は互いに励まし合う。

俺ら四人は手を合わせて決勝進出を心に誓った。

それと同時に一年生のリレーが終わった。いよいよ俺らの出番だ。