俺はそのまま一位でゴールした。

「お熱いねー!!」
「翔ー羨ましいぞ!!」

観客からも俺達を冷やかすように野次が飛んでくる。

「質問…何だったの?」

紫音は顔を赤らめて俺に尋ねて来たが、俺は紙を見せる訳にはいかないと悟った。

「秘密っ」

俺は紫音にニコッと笑ったが、紫音は目にも見えない動きで俺の紙を奪った。

その紙を見た紫音はワナワナと震えていた。

「な……何よコレ…」

「し、紫音、話せば分かる。だから……」」

「借り物競争第三レース一位はB組若葉くん。二位はC組如月くんです。おめでとうございます」

校庭にはアナウンスと俺の断末魔の叫びが響き渡っていた。