借り物競争は二年だけの種目だ。その分おふざけ種目と言っても過言ではない。

しかし……俺と令志を除いた奴の目はマジだ。本気と書いてマジだ。

たぶん100メートル走などで勝てないので、ここでいいところを見せようとしているのだろう。

ちなみに俺はB組。令志はC組だ。哀れなA組とD組だ。

俺は令志と軽く目を合わせた。令志も笑ってる。

「前哨戦は無しだな」

パーン。
ピストルの渇いた音が校庭に響き渡り、A、Dは全速力で駆け抜けた。

俺達は軽く走る。ぶっちゃけ借り物競争はゆっくりいっても支障ないんじゃないか?

俺と令志は落ちている紙を拾う。そして何が書いてあるかを読む。

令志の紙を覗いたら、
『一番大切なもの』だった。

ありがちな話だ。どーせ令志は浅香さんとか連れてイチャイチャしながらゴールイン……。

どこへでもゴールしてしまえ。

「なに、人の紙見てんだよ。お前のも見せろよ」

「俺まだ見てないから、少し待てよ」

俺は紙を開いて中を見た
そこに書かれていた文字を見て俺は驚愕した…。