「宣誓!我々はスポーツマンシップに乗っ取り!正々堂々競うことを誓います!」

今年の選手宣誓は三年の椎名 和也先輩。言わずと知れた雅也の兄だ。

「やっぱり雅也と違ってカッコイイわ……」

静香はすっかり目がハートマークになっている。静香は前から和也先輩にベタ惚れだ。

「俺が何だ?」

静香の声に雅也が食いついた。

「何でもない」

雅也をちらり見た後、静香は肩を落した。

「何なんだよ……?」

「これにて開会式を終わります。後はプログラム通りに動いてください」

訳が分からないとばかりに首を傾げる雅也と、司会運行の声が綺麗に重なった。