学校に着いた俺は軽くウォーミングアップをしていた。

「翔。いよいよ今日だけど大丈夫か?」

渡が腕を伸ばしながら俺に近づいてくる。

「まぁぼちぼちだな」

「じゃあ今から少し走ろうぜ」

そう聞くや否や俺達は走り始めた。

「渡も今日は頑張れよ」

「何で俺が?」

「美紀にいいとこ見せないとな」

「う…うるせぇな!」

美紀のことになると すぐに顔が赤くなる渡。

「翔先輩、渡先輩。おはようございます」

走りながら、桜花が声をかけてくる。今日の桜花は髪を短くゴムで縛っていた。

「よく俺らのペースに着いて来られるな」

「私完璧な女の子ですからっ!」

「面白いこと言うね。桜花ちゃんは」

渡と俺は桜花の言葉を笑い飛ばす。

「なら試してみますか」

「え?」

「クラス選抜リレー…楽しみにしてますよ」

桜花は不敵に笑い、俺達から離れて調整を開始した。