そうだ。せっかく病院に来たんならおじいちゃんと会っておこうかな。

俺はそう思い おじいちゃんのいる病室へと向かった。

「あったあった…」

おじいちゃんの病室にたどり着いた俺はドアをノックしようとした。

「………………」

「………………」

おれはノックしようとした手を引っ込めた。

話し声が聞こえる。
誰か来てるのか?
俺はドアに耳を当てた。

「…の……余命は…半年くいですかね」

「………そうか…残念じゃのう」

「……私達はやれるだけのことを尽くします」

「……頼むわい」

俺はドアに当てていた耳を外し、右足の痛みも忘れて駆け出した。

一刻も早くその場から立ち去りたかった。
嫌だ…。信じたくない…。

おじいちゃんの余命は…たった半年…。

俺の心にその宣告がナイフのように深々と突き刺さった。