体育祭前日。生徒たちの全体練習も終わり……いよいよ明日の本番を迎えるだけとなった。

俺達の体育祭は各学年、クラス対抗だ。一年は一年、二年は二年三年は三年で競う。

「いよいよ明日だな。お前準備は大丈夫なのかよ?」

雅也が不安げに俺に尋ねてくる。

「明日のことは明日に何なきゃ分かんないな。だけど……ぜってー勝つ」

「それは俺への勝利宣告と取っていいんだな?楽しみにしてるぜ」

話を聞いて来たのか令志が声をかけてくる。隣には浅香さんもいる。

「せいぜい足元すくわれないよう気をつけな」

俺はそう言って令志と浅香さんから背を向けた。

二人で仲良くしてるとこなんか、見たくない。
俺は雅也に別れを告げ
ある場所へと向かった。

雛菊病院だ。