それからの日々はまさしく地獄と表すのが、ふさわしかった。いや、地獄の閻魔様も裸足で逃げ出してもおかしくはない程の練習を俺はしていた。

走る練習はあまりせず、徹底的に筋トレをやらされたのだ。腕立て、腹筋、背筋、反復横とび……。

というか腕立て必要か?

しかし、紫音に口答えは出来ない。俺は黙って拷問に耐えていた。

その為か、筋肉痛で走るのはおろか、階段の上り下りだけで死にそうになる。

そのことを紫音に抗議した。

「へぇ…。あんたにも筋肉あったんだ。じゃあもう少し練習量増やせるね!」

こいつは人の皮を被った鬼なんじゃないか?

「何か文句ある?」

「…ありません」

俺はただただ紫音の拷問に耐えていた。