「おい、そこの黒髪女、お前見たことあるぞ」
「だ、だめだよ転校生にきつくあたっちゃ...」
(いかにも委員長って感じだな)
注意した男の子に棗はそう感じた。

「そうよ!転校生は迎え入れるべきじゃない!可哀想でしょ!」
「まだ学園にも慣れてないんだから!」
(めんどくせー...)
杏樹はそう思った。

「うっせぇブスは引っ込んでろ!おい黒髪女!てめぇどこから来た!」
那『...』
「喋れ!てめぇの口は何のためにある!」
樹『姉貴ぃ、言えば?』
那『人に聞く態度がそれ?ちょっと考え直したらどうだ?』
棗『言うのそれかよ』
「は?何言ってんだお前、能力者の態度なんて力で決まんだよ!力で!」

ガラガラッ
その瞬間後ろのドアがあき、若いオトコが入ってきた。

「ごっめーん!遅れちゃった...て、来てたんだー♥」
樹『げっ』
那『転校生が来るってのに遅刻?』
棗『変わんねぇな』
与『2人とも...』
「ごめんってー!みんなー!紹介するね!はい!自己紹介して4人とも!」

クラスの雰囲気が少しだけ和らいだ

那『杏、髪型変えた?』
杏『まーね!そーいえば!みんなー?この、4人バカにした人は正直に手上げて』

シーン...

那『杏、いいから、自己紹介』
樹『チョークはー?』
杏『くーちーで!おくち!』
棗『だる』

クラスがざわめき始める。
「先生の知り合い?」
「え?だってタメ口だよ?」
「ナル先生の友達?」
「年考えろよ」

ダンっ

杏が机を叩く

杏『今その話はいいでしょ!名前聞いたらわかるから!』

那『神風那木、元々アメリカ滞在、杏樹やりなよ』
樹『えぇ?!...成海杏樹です。アメリカから来ました。えー、ケイスは...兄と同じくフェロモン、そして...念能力です。』

クラスのざわめきは酷くなり
杏『な、成海?!ってなった?そうそう、先生の弟です。』

棗『葉流棗、アメリカからこっちに移住、ケイスは炎』

与『東与如です...アメリカから来ました。ケイスは動物フェロモン...です。』

クラスのざわめきはピークに達した。

杏の声すら通らなくなり、どうしようもなくなった、

なぜなら、今自己紹介した、3人は貴族の子供たちだからだ。

〜貴族〜
地球では、それぞれの家に順位がある、
大まかに分けると
上から『王家』『貴族』『良民』『庶民』『平民』『凡民』である。
王家の中でも、5位に分けられ
上から『神風家』『成海家』『葉流家』『東家』である。
要するに、王家の1位神風家は地球で1番大きな権力を持つ家柄だ。

「何でそんな貴族の、神風家の方々がここに...」