車の中ではしゃべり声が絶えない

『今日から新しい学校かぁ』
「そうだな」
『皆同じクラス?』
「そのはずだよ。」
『緊張してきた』
「いつもの会見よりは、マシじゃない?」
『まぁな』

学校につくと、理事長が門の前で挨拶をし、頭を下げる。
そうすると色々な場所から拍手が絶え間なく聞こえてくる。

「神風様、鳴海様、葉流様、東様、長旅ご苦労さまです。」
『いいえ、新設校だと聞きまして皆ワクワクしておりまして、疲れなど全く感じませんでした。』
「それはそれは、恐縮です。」
『荷物は執事に運ばせますので、理事長先生、学園内の案内をお願いしますね。』
「かしこまりました。」

ここは、国立ケイス学園。
ケイスを、持つ能力者の子供たちが通う場所。
敷地内を歩いたら迷子になってしまうくらいの広さで、学園内にタウンがあり各寮があり、とても大きな校舎がある。

新設校の割には生徒数も多く、
色々な能力を持つ子供たちがいる。

「ここが教室になります。」
『有り難うございました。』
「いえいえ、今日は寮に戻り休まれるのもよろしいかと思われますが、いかがなさいますか?」
『少しクラスを拝見させてもらいます。ご気遣いありがたく申し上げます。』
「では、失礼いたします。」

『さすが姉貴!』
「杏樹、ちょっと黙って」
『那木、口』
「棗もね」
『俺身なり大丈夫?』
「与如は気にしすぎ」
『そうそう、姉貴の言う通り』
「ドア開けろよ」
『お先に失礼』

ガラガラッ
ドアの開く音が教室中に響き渡り、みんなが一斉にこちらをうかがう。

(先生はまだ来てないな)
那木はそう思い、クラスに足を踏み入れた。

「転校生?聞いてねぇぞ」
「それな、どこのやつだ」
「なんかコイツら見たことない?」
「だれだ?」

(うっわ、ガラ悪。こりゃ早速問題になりそう...)
与如はそう思い、少し体を後ろに引いた