「千夏ちゃん、風邪引いちゃったの?」



「うん……実は、昨日雨降ったでしょ?
私、傘忘れちゃって、雨の中走って帰ったの。
そしたら…風邪、引いちゃった」



えへへっと笑ってるけど少し苦しそう。



俺のために座ってるんだろうけど、
横に倒してあげて布団をかける。



「寝てていいよ」



「でも…」



「早く治って学校来て欲しいし…」



「……うん」



千夏ちゃんのおでこに手を当てると、
結構熱かった。

…熱、高いんだ。



「すぐ帰るから、ごめんね」



「ううん、きてくれてすごく嬉しい。
寂しかったから……」



千夏ちゃんの素直さは、
たまに俺の心を苦しくする凶器な気がする。