私自身、杉田京と面識があった。
私はバレー部に所属しているのだが、市の中総体で負けてしまい県大会に出れなかった。
その代わり、陸上の市中総体に出ることになっていた。

陸上中総体は普通陸上部が出るのだが、瀬戸川中学校は
陸上部だけでなく、学校の生徒からも出ることができるのだ。
私は短距離が得意だったために、100メートルとリレーに出ることになっていた。その日、私はスタートブロックを使ってスタートダッシュの練習をしていた。
あいにく、陸上部じゃない私は、スタートブロックを自分の歩幅に合わせて
セッティングすることができなくて、戸惑っていた。

そのとき、その杉田京がスタートブロックのセッティングの仕方を教えてくれた。
わかりやすく、優しく説明してくれたため、
理解力のない私にはとてもよく理解できたのであった。
先輩がセッティングしてくれたスタートブロックで走ってみると、
スタートダッシュが上手くいって、すいすい走れた。
私はその日を境に先輩と時々話すようになったのだが
陸上中総体が終わってからは話さないようになったのである。