彼とはそれきりだ。
 送られた手紙もどこかへなくしてしまった。今では顔も思い出せない。
 しかしなぜなんだろうか。なんでこんな夏のこんな晴れた日によりによって白い小さなあのあっかんべー花を見ることになるなんて。