会場の異様な状況に孝志も美歌も驚きを隠せないでいた。二人共若いミュージシャンのコンサートに来ることは、初めてであり、まさか自分達がこのような、若い女の子達に混ざりこの場にいること事態信じられないでいた。



孝志は、今すぐにも、会場を出て行きたい心境であった。こんな所に何故自分が居なくてはいけないのか…始まるまでは、腹正しく、美歌とは一言も口を訊かなかった。



美歌は、美歌で、ファンの子達が、あまりに若い為に少し気が引ける思いであったが、生で聴ける期待で、胸が張り裂けそうな気持ちでいた。


隣りにいる孝志を気遣うゆとりなど、端から無かった。



時間は、予定より、かなり遅れて始まった。



幕が上がった!一瞬のファンの奇声が会場に響き渡る。


美歌は、前身に鳥肌が立つのが自分でも分かった。