(kazu)
「俺は、今から仕事に出るけど、お前は、このマンションに、俺が戻るまで、待ってろよ!…後、あの音楽機材だけは、触るなよ!ピアノは良いけど…きっとお前が持ってるピアノに比べたらおもちゃみたいなもんだろうけど、キッチンも自由に使って良いから!お昼は、自分で、作るんだ!まだあった!電話は、出るな!留守電にしといたから、俺は連絡あったら、留守電にいれるから、安心して……じゃあ!」
俺は、慌ててマンションを出る。
2・3ヶ所寄る所があった。お昼までは、〇〇スタジオへ入らなければならなかった。
幾つかの用事を何とか時間までに間に合わせで、スタジオに入った。
メンバーが、控え室で待っていた。
今日に限って、揉め事を話しあってる時間が無かった。
多少落ち着きの無い自分に、メンバーのノリが声を掛けて来た。
(ノリ)
「カズ!どうかしたか?何か焦ってるみたいに見えるんだけど…やっぱり、アルバムのことか?」
(kazu)
「いやっ、何でもないが…今日は、撮りが終わったら、直ぐに帰りたい!良いかな?ちよっと………んんっ……」
(ノリ)
「何か言いづらそうだな!珍しいじゃないか?お前にしちゃぁ、ええっ?まさか……女?っな訳ないな、お前に限って!なぁ?」
肩を強く叩いて来る。あまりに図星な為に思わず顔が赤らみ、子供のように、俯いてしまった。
(ノリ)
「お前は、本当判りやすい奴だよなぁ!ったく!メンバーには、上手く言っておいてやるから、帰れって」
(kazu)
「ノリ!サンキュー!詳しいことは何も話せないけど…後は宜しく頼む!」
俺は、手には大きな手提げ袋を持っていた。中には、理音が着る洋服と…それと、ケータイが入っていた。