いつもより早くに目覚めた俺は、隣りの自分のベットに寝ている理音を確かめるように近付いた。



まだあどけない寝顔をしている。



どうして自分も、こんなことをしてしまったのだろう。行き掛かり上仕方なかったとはいえ……



何不自由なく育ったであろう、この理音という名の女の子を、俺は、どうしようと言うのだ！また、どうもしてやれっこない。そう考えながら寝顔を見つめていると、理音が目覚めた。



（理音）
「おはよう！（小さな声で呟いた）」



（kazu）
「少しは休めたか？」



（理音）
「はいっ、有難うございます。でも…見ず知らずの人の家で休ませてもらうなんて………とても非常識なことしてしまって………」



（kazu）
「んんっ！だから先ずは、お前は、家に連絡をいれろよ！そしておれが、夕方戻り次第、家まで送ってやるから、必ず無事で居ることと、送ってもらい帰るからと伝える！いいな？携帯は？無いのか？じゃあ、電話を使え！」




俺は、有り合わせの材料で朝食の準備を始める。



こんな女の子と一緒に朝を迎え朝食を共にするなんて………２５年の人生の中では、初めてである。芸能界に入って３年あまり沢山の誘惑があったが、まるっきり興味がないわけではないが、チャラチャラした、見掛けだけの、女の子は、大嫌いだったし、ふざけて付き合う気も無かった。




理音には、俺のＴシャツとハーフパンツを貸してやった。



何とも不思議な光景だが、不思議なことに、俺の気持ちに違和感が無かった。



一緒に食事しながら、また色んな話しを聞くことになる…………