「…う…うん……だ、大丈夫だょ…」




本当は聞きたい事が山ほどある。



でも…私は聞けない。




幸花は友達が多くて、いじめっ子グループとも仲良し。



だから私は逆らうのが怖い。






次の日、また私は長く待たされる。



「今日はマジで時間がヤバイんだけど…っ」




先行ったのかな、くらい来る気配は感じられない。




「行っちゃおうかな…」


私は何度も迷ったが、幸花が先に行っていると信じて歩き出した。









学校の下駄箱に行き、幸花のくつがあるか確かめる。




「なぃ!?」



ぅそ…来てないの?


キーンコーンカーンコーン



チャイムが鳴った。


「えっ、うそ。ヤバくない?」



私は仕方なく教室へ向かった。













朝の会が始まった。


幸花の席はまだ空席。





がらっ


教室のドアが開いた。



皆の視線がそちらへ走る。



「吉田さん、遅刻ですよ!」



「…すぃません」





私は幸花に気づいてもらえるように、目力を送った。



幸花、こっち見て!