京弥side

「京弥、私をハッキリ振って。」

まさか奈央の口から、この言葉が出るとは思ってなかった。
今まで何人もの女と付き合ってきたから、
ある程度の言葉は言われすぎて響かないが、振ってと言われたことは1度もない。
これはさすがに応えるけど…

「分かった。奈央、お前とは付き合えない。ごめんな。今までそんなに俺のことを思ってくれて、ありがとう。あのな、奈央。まだ小学生の時、いつか奈央をJリーグに連れてくって約束したの、覚えてるか?その約束だけは、どうしても守りたいんだ。勝手すぎると思うけど、これからもJリーガーの夢だけは、応援してくれないか…?」

これだけは、伝えたかった。奈央に。
友達以上恋人未満の曖昧な関係に、ケリをつける、その前に。