翼くん……。
その言葉に、胸がいっぱいになって。
また涙が出てきそうになる。
翼くんはそれからクスッと笑うと、少し体を離して、私を優しい顔で見下ろした。
「やっと聞けた。モモの気持ち。
すげぇ嬉しい」
その表情はやっぱりいつもの翼くんで、ホッとする。
「俺、白百合のことなんてなんとも思ってないよ。
キスだってしてないし」
「…ほ、ほんと?」
「うん。まぁ、ぶっちゃけギリギリセーフだったけどな。
ていうか、そんな仲良くしてるように見えた?」
ギリギリセーフ、だったんだ…。
「み、見えたわよ…。
だって、今日も一緒に宣伝周りしてたし、いつの間にかつーくんとか呼ばれてるし、ドレス姿褒めたりするし…」