〜遊実side〜



昼休み。


用事を済ませ、職員室から出て来ると大也センパイがいた。




ペコっと頭を下げて立ち去ろうとすると




「待って!


翔平と同じクラスの…


相川さんだよね?」




声を掛けられた。




「はい…

そーですけど…?」




何の用だろう?




大也センパイと話すのは初めて。




「悪いんだけど、これ翔平に渡してくれる?

これ知ってる?

クリスマス限定チケット!」



プレミアムチケット?!

なんでそんなものを大也センパイが持ってるの??




「翔平に、彼女と行きたいからって頼まれたんだ」




彼女…?



前はいないって…


目の前が真っ暗になったのを感じた。


心臓がつかまれたような苦しさで、変な音を立てていく。




「…センパイ、今から体育館行くなら会いますよね?」




なんで、あたしに頼むの…





「そーなんだけど、体育館で渡してなくしたら大変じゃない?

だから、渡してやって!」



そー言って、チケットの入った封筒を握らされた。



動くことさえできなくなっていた…