後ろで朔真とアオが「ぷっ」と噴き出す声がする。
わーってるよ。
カッコ悪いって言いてーんだろ?
こんな面白いネタは他にねーもんな?
お前らが笑わねーわけねーよな。
俺だって、朔真と同じ立場だったら間違いなく笑ってたはずだ。
俺だって思ってるよ。
バカだってな。
けど、仕方ねーだろ?
本気で好きになっちまったもんは。
「本当のことなんだから仕方ねーだろ?俺は……本気で菜花が好きなんだよ」
負けじと吉田の目を見返す。
別に睨んでるつもりはない。
ただ反抗してるだけだ。
「あ、あたしに言っても意味ないでしょ?バカだね。本気で好きなら、菜花にまっすぐぶつかりなよ」
「わーってるよ!それに……言われなくてもぶつかってるしな」
「えっ?そうなの?」