振り返ると教室のドアが開いているのが見えた。
その向こうには、驚いて立ち尽くす吉田と菜花の姿。
特に吉田に至っては、口をあんぐりと開けて驚いている。
菜花は顔を真っ赤にしながらうつむいていた。
げっ!
まさか、聞こえちまったとか?
この様子からすると、それは間違いないだろう。
やべっ。
ダサすぎだろ、俺っ。
何やってんだよ。
「声大き過ぎでしょ!こっちにまで丸聞こえだよ?」
吉田が目をパチクリさせながら言う。
俺の気持ちを疑うかのような目で、吉田はまっすぐに俺を見ていた。
なんなんだよ、こいつ。
俺、こいつ苦手だ。
何かと突っかかって来るし。
お前は菜花の保護者かよ!