「近藤さん……なんで認めたんだよ」

土方は、焔が出ていった後近藤に尋ねた。

近藤は土方の問いに、そうだなあと考えるフリをする。

「なんでか実は、私もよく分からないんだ、トシ」

「はあ?分からないって何だよ……」

俺は近藤さんの言葉に、ため息をつく。
神崎焔という女。

洋装の服を着ている女は、何処か怪しなった。

しかも自分は長州藩だと思わせるような素振りまで見せやがる。

そのような奴が、怪しい奴じゃないなんて。

近藤さんはどうしちまったんだ?

近藤さんは、はははと苦笑いしている。

「はははじゃないぞ近藤さん。もし万が一のことがあったらどうすんだ」

「いや、だから怪しい素振りをしたら斬ると言っただろう?それに私は……みんながどう思ったかは分からないが、何となく間者じゃないような気がしてな」

「なっ「おや、奇遇ですね近藤さん。私もですよ」

俺の言葉を遮りそう言う山南さん。

山南さんまで、どういうことなんだ?

?を飛ばす俺に山南さんは苦笑いする。