〈 どうしてこんなことに

なってしまったの? 〉






私は学校を抜け出し、

懸命に走りながら

久保志織のことを思った。






〈 あの久保志織って子が、

どうして私を恨まなくては

ならないの?






彼女が大学に進学できずに、

死んでしまったのは

本当に気の毒ではあるけれど、

それは私のせいじゃない……。






何で私が、

久保志織なんかに…… 〉






私は久保志織を心の中で

呪いながら、

懸命に家まで走った。








私の息はきれ、

大粒の汗が

私の額から流れ落ちていったが、

私はそれでも走ることをやめず、

懸命に走り続けた。






あの久保志織から、

逃れたい一心で……。