私が倒れ込んだままの姿勢で

振り返ると、

そこには憎しみで

顔を歪めている久保志織が、

私を見下ろして立っていた。






血色の悪い青白い顔の

久保志織と目が合うと、

私は恐ろしくて

学校中に聞こえるような声で、

悲鳴を上げた。






〈 逃げなくちゃ! 〉






私はそう思って、

四つん這いで昇降口を進み、

フラフラと立ち上がると、

よろめきながら校舎を抜け出した。






私はもう恐ろしくて、

後ろを振り向く

余裕すらなかった。