私の背後に立っていたのは、

血色の悪い青白い顔をした

女子高生。






彼女の憎しみのこもった

鋭い視線は、

まるで私の体を

射抜くかのように

私だけに向けられていた。






〈 あなた、いったい誰なの?






どうしてそんな目で、

私を見ているの? 〉






私が怯えて、

目を見開きながら

その女子高生を見ていると、

その女子高生は、

私をにらみつけながら

ゆっくりと私に近づいてきた。






そして私が、

近づいてくる女子高生の

足元を見てみると、

彼女の足の向こう側が

透けて見えた。






〈 何なのこの子。






この子、人間じゃないの?






もしかしてこの子が、

久保志織…… 〉






「憎い……」






久保志織と思われる女子高生が、

ぽつりと私に呟いた。






「憎い……。






私は一条美和子が、憎い……」