父が死んでしまったあとも、

借金取りが、

アパートを訪れない日は

ありませんでした。






母はもう、

ノイローゼだったのだと、

私は思います。






母は私にこう言ったんです。






「志織、私と一緒に

お父さんのところへ

行こう」って。






私は首を大きく横に振って、

母に言いました。






「嫌だよ、お母さん。






私はまだ、死にたくない」って。