「何なのあなた、

突然泣き出して、

気持ち悪い」






武田薫が泣きながら、

怯えて周囲を見渡している私を

蔑んだ目で見ながら、

そう言った。






「本当に身勝手な女よね。

私を急に屋上に呼び出して、

私にわけのわからない

言いがかりをつけて、

しまいには、勝手に怯えながら

泣き崩れてしまうんですもの。






とてもじゃないけど、

付き合いきれないわ」






武田薫はそう言って、

私を馬鹿にした顔で見下ろすと

私の元を去っていった。