「武田さん、

あなた最近、私に

イタズラメールを

送ってきていないかしら?」






私は武田薫の目をじっと見つめて、

彼女に言った。






「イタズラメール?

この私が?」






武田薫は、私の言葉に

驚いた表情を見せた。





でも、その驚きの表情が

嘘か本当かは、

私には、まだわからなかった。






「武田さん、とぼけないで。






何度考えてみても、

あなたしかこのイタズラメールを

送ってくる人は

思い浮かばないの。






逆恨みも程々にしてよ。






あなたの家庭には、

同情するけど、

私を妬むのは

やめてちょうだい。






私はあなたのそういう後ろ向きな

生き方に、虫酸が走るのよ」






私がそう言うと、

武田薫は驚いた顔をして、

両手で口を押さえて

甲高い声を上げた。






「ひどい!

なんで私が、

あなたにそこまで

言われなくてはならないわけ?






勘違いもいい加減にして!






あなたおかしいんじゃないの?」






武田薫はそう言って、

私を蔑むような目で見た。






私は、武田薫のあまりの口調に

思わず、たじろいだ。