「そうね、

武田さんが美和子を妬む要素は、

たくさんありそうね。






でもメールの送り主が、

武田さんだという

確信はないけど……」






「朱美、

私、怖いわ。






どうして私が、

死んで欲しいと思われるほど、

誰かから

憎まれなくてはならないの?」






「美和子、落ちついて。

とりあえず美和子は、

武田さんに気をつけて。






私も何となく、

彼女がメールの送り主のような

気がするから……」






私は、

朱美が言ったその言葉に

何も言わずにうなずいた。






そして私は、

ぼんやりと

武田薫の陰気な顔を

頭の中で、

思い浮かべた。