「朱美、これはもしかしての


話なんだけれども……」







私はそう切り出して、


朱美の顔を見つめた。








「私を妬んで、


逆恨みしている人は、


うちのクラスの


武田薫さんじゃないかしら?」








その疑問に核心を持てない私は、


自信なさげにそう言った。








「武田薫ねぇ……」








朱美はポツリとそう呟き、


しばらく考えたあとに


私に言った。








「彼女、たしか父親の会社が


倒産して、


大学進学をあきらめのよね。








そう言えば最近、


武田さんは、


いつも浮かない顔をして


何か物思いに


耽っているようで……」