何を言ってるの、私
出会って1日しかたってないのに
しかも先輩に
バカ、と頭の中で説教する
すると思いもよらない言葉が返ってきた。

「俺も、思ってた」

?!

「これからよろしく」

ニッと笑う

「これ、好きなんだろ」
ポンっと渡されたのはミルキーキャンディだった。
「礼だよ。」

時間はとても長いように感じた
ありがとうの言葉も出ないくらい
嬉しいような、ほっとしたような、切ないような、よく分からなかった
しかし彼も自分と同じ気持ちだったというのは心の底から嬉しかった


「私たちって、恋人っていうもんなんですか?」
帰り道、ふと愛実は聞いた。
「自分から告って何だよ今さら」
叶多は苦笑した 
「恋人だろ」

その一言が愛実を温かく包み込んでいく
恋ってこんなにも甘いなんて
いちごキャンディを口に入れる。珍しく噛まないでゆっくり味わっても、やっぱり恋の甘さには叶わないな、と愛実は思った。