「ばか叶多」
ニッーと笑う。
その笑顔にとれだけ救われただろうか。
彼女と出会ったのは中2の春だった。
馬鹿みたいに悪事ばかりしていた思春期真っ盛りの春。
その時はかなり周りから驚異と恐怖の目で見られていて、何故かそれが誇らしかった。そしてそれに憧れたかのように自分の後に犬みたいについてくる野郎共。それが何よりも快感であった。
しかしそれが心機一転する出来事があった。
ある日、叶多達は煙草を吸っていた。
「あんた達さあ、くだらないことやめたら？高校行けないよ？」
突然、ある同中らしき女がつっかかってきたのであった。ただでさえ男子でもそんなこと言わないのだが、いかにも学級委員のような顔をした女が言うのだ。
「ああ？てめぇケンカ売ってん、、、」
「もう1回言うよ。くだらないことはやめて。」
こいつ、、、
叶多は殴りかかろうとした
「暴力反対。あのさ、私の事知んない？クラスメイトなのに？」
誰、、、だ、、、？
「茅野崎愛。2―1の風紀委員なんだけど。あなた達のせいでクラスの印象アンケート、ワーストNo.1なんですけど。」
「だから何だよ」
「知ってた？No.1だと体育祭と文化祭す不利何だよ？まだ進級したばっかなのに、、、」
こいつ、何が言いたいんだ
「とにかく、その煙草やめなさいよ」
「おめぇ真面目ちゃん面すんなよ。きめえんだよ。死ねよ。」
その途端、今までの勢いはどうしたのかいきなり地面にうずくまった。
「お、おい、、、」
「、、、親にも死ねなんて言われたことないのに、、、」
こいつ何考えてんのか分かんねぇ
それが第一印象だった。
それが、このこいつが、俺にとって大切な人になるには思いもせずに、、、