「きゃあぁぁぁ!!」
何て楽しいのだろう。こんな感覚初めてである。
昔から親から距離を置いていた愛実は甘えかたも知らず、愛情表現の仕方も知らず、恋愛など正直どうでもよかった。自分自身が幸せになればそれでいい、と思っていた。そこど出会ったのが叶多だった。何故か叶多は愛実にとって特別な存在だった。
横を向くと、いつも一緒にいてくれる人がいる。
それだけで、どんなに愛実にとって心強かっただろう。
「愛実」
「叶多先輩」
初めてちゃんと繋いだ手は、ほんのり温かかった。