なんで
みんなして
そんなこと言うの？
愛実は悔しさと裏切りみたいな悲しさでいっぱいになっていた。
(こんなこと、、、ひどいよ、ユウも妃咲まで、、、)
愛実はただひたすら、当てもないまま走り続けた。どこまでも、どこまでも、とにかく出来るだけ逃げたかった。
会いたい
何故かそう思った。
たどり着いた挙げ句、屋上の入り口にたどり着いた。そっとドアを開ける。
「よぉ、おまえもサボり？」
「光希」
愛実は何でおまえが？と呆れる顔をする。
梶野光希。光希とは幼稚園からの仲である。いわゆる幼なじみだ。昔から愛実、光希、ユウは一緒だった。
「そんな嫌なカオすんなって」
光希は笑う。
「うるさい」
叶多先輩は？と聞こうとしたが、どうせ知ったこっちゃない、と思い聞かなかった。
「金沢先輩、ついさっきここにいたのに」
「えぇ！？」
愛実はその場に倒れこんだ。
するとチャイムが鳴った。
「あーあ。今まで無欠席無遅刻だったのにー。もったいない。」
「ほぼ出席してない奴に言われたくない」
「てかそんなに会いたいの？」
会いたい
たぶん、いや確実にそれは叶多先輩だろう。今、、、
今じゃなきゃ、、、
「おい、聞いてんじゃん」
叶多先輩の顔が頭をよぎる
ニッと笑う叶多先輩
「愛み、、、」
「行かなきゃ」
言葉よりも体が反射的に動いていた。そして何故か向かったのは校門であった。足が、いや体がまるで叶多先輩の位置を指すように。