恋って、どんな甘さなんだろうか
濃厚なのか、大好きなキャンディより甘いのか?
切ないってどんな味なんだろう

好きだよ

いつか言ってみたい

恋が

してみたい


◇ ◇ ◇


今どき恋愛なんて、、、
いちごキャンディをボリボリと噛み砕く。
「あのさぁ」
「?」
「ゆっくり味わうのが飴ってもんでしょ」
富士原愛実(ふじわらあみ)。夢蘭高校に通う1年生。隣にいるのは小さい頃からの友人、上田ユウ。
「昔からほんと癖なんだよねぇ」
愛実はキャンディ(キャンディに限らずお菓子)が大好きであるが、その理由というと、、、
「この食感!たまんない!」
「はぁ、、、」
ユウはため息をつく。
「愛実ってさ、そういうちょっとずれてるとこがおしいよね。別に顔は可愛いのにさ。」
ユウは美人だ。しかも性格も欠点がないくらいに完璧である。また成績優秀でありバスケ部のエース的存在なため、まさに文武両道であるが、、、
「彼氏いない人に言われたくないっー」
「かっ彼氏とかいらないから!っていうあんただって恋したこともないんでしょ!」
恋かあ、と愛実はふと思う
小学生の時は誰が好きとか、恋をするのは簡単だった。
あの甘酸っぱい思い出がしたい。
しかし恋なんて今はそんな容易なことではないのだ。女子同士だって色々あるのである。
友情を破滅させるくらいのものなどやりたくもない。
恋なんていらない
とにかく恋愛なんかしたくないと思う愛実なのであった。