石川先生は…やけ酒してる。

 美憂の事で相当堪えたんだろう…

「お前らの事、名前で呼んでいいか?いいよな。ってか呼ぶ。」

 石川先生…聞く意味ないじゃん!!

「おい、菜々。何で稜が好きなんだ?」

 …いきなり何て事を聞くんだ…この人は!!


 しかも…上から目線。


 当然聞かれたから顔が熱い…だって恥ずかしいもん。


 何処が好きって…答えられないよ…。何で好きになったんだろう?


 あぁ~…石川先生、酔ってきてる…。


「答えろよ。チビ菜々!」


 っチ、チビ!?


 このオジサン…あたしの事チビって言ったぁー!!!

 気にしてるのにー!!


「オジサンには教えないもん!!フンっ!」


 べぇ~だっ!!

 石川先生って黙ってればカッコいいのに。


 喋るとボロがでるんだ!!


 お口チャックだよ!!もうっ!!


「オジサンってまだ若いんだけど!チビガキ。」


 …チビガキっ!?


 あの口が言った?あの口が言ったんだよね!!

 あぁ言えばこう言う!!ムーカーツーク!!

 石川先生の顔見てたら腹立ってきた!!


「じぃ。あれ、食べたい?」


 さっき作った無残な料理達を指さして言った。


「ジィ?ジィって俺?」