「あれっ?君たちは手伝いしなくていいの?」


 …君たちとはあたしと美憂の2人の事だよね…たぶん。


「あたし達ですか?」

 美憂が答えた。


「そう、君たち。」

「あの三人が自分たちで作りたいって言うから作らせて上げてるんですよ。」


 ………美憂が嘘ついた…。

 先生の耳に入ったら一大事だ!!


「女の子なのに良いの?君たちでしょ?料理が出来ないどうしようもない女の子達って。」


 …………今…何と…?


 耳がおかしくなった?


 あたし。


「料理出来ないんでしょ?稜が嘆いてたよ。下手くそでどうしようもないって。」


「あいつ等の飯食う位なら残飯食う方がマシだって。」


 石川先生…昼間とキャラ違うんですけど!!

 
 ってか…先生、そんな事言ったの!?


 先生に一回しか作ってあげた事ないし!!


 どの位のレベルか見てみたいって言うから美憂と二人で作ったんだ。


 その一回以来お声が掛からないんだけどね…。


 …………あたしは放心状態。…美憂は…隣に居る美憂は…眉間に…皺が…


 …まずいって…美憂の闘争心に火が付いちゃう!!


 あたしは、自分のレベルを自覚してるから料理は何言われても手だししたくない!!

 それなのに…美憂がっ………


「石川先生って、性格悪いですね!!絶対にモテないでしょ!!!」


「こんな先生じゃ、子供達が可哀相!!あたし達だってやれば出来るんです!!バカにしないで下さい!!石川先生のバカ!!」


 美憂の口が止まらない…あぁー…完全に怒っちゃったよ…


「じゃーやってみろよ。」


「作ってあげます!!その代り残したらタダじゃおかないから!!!」