「菜々、ギュッって抱きしめてあげる。だからいつもの菜々に戻ってよ。菜々が元気ないと心配だよ。」

 先生が抱きしめてきた。

「せ、先生…隼人達が居る!!先生!!離して下さい!!」


「何で?俺に抱きしめられるの嫌なの?」


 ……そんなんじゃないよ!

 ただ…皆が居る所は恥ずかしいんだもん。


 水着だから肌と肌が触れ合っちゃう…先生の肌が触れるとドキドキする。


「皆見てるからイヤッ!恥ずかしくて死んじゃいそう。」


 先生が不安そうにあたしを見てる。 


「ご機嫌は直った?いつもの菜々に戻った?」


「……戻りました!!」


「じゃあ、好きっ言って。俺を不安にさせた罰。」


 ……せ、先生!?


「菜々が笑ってないと不安になる。」

 先生が不安?

「…先生…不安になっちゃったんですか?」


「俺だって人間だ。菜々の感情一つで俺の気持ちも左右されるよ。好きなんだから仕方ないだろ。」

 先生が照れたように言う。

 先生の気持ちを聞いてまた反省だ。

 感情って左右されやすいんだよね。


 先生が暗かったら気になっちゃうもん。


「菜々…俺の不安をぬぐって。何か言って。」
 

 先生がとんでもない事を言い出した。

 しかも先生は言い出したら聞かなんだ。



 …………